この曲は、ハワイ語の権威であるメアリー・カヴェナ・プクイとカハウアヌ・レイクが作った曲で
結婚式などでその美しいメロディに合わせて花嫁がフラを踊ったり、花嫁に贈ったりする曲と
して知られています。
私も、この曲は大好きで自身の披露パーティーで演奏しました。
Puaは、一般に「花」を指すハワイ語
Līlīlehuaは、サルビアの一種
ですので、「Pua Līlīlehua」は、花を題材にした曲と言うことになります。
しかし、ハワイの曲には「カオナ」と言われる隠された意味があることはご存じだと思います。
カハウアヌは、密かに恋心を抱いていたクムフラ、マイキ・アイウ・レイクに対してその想いを
歌にしたいと考えていました。
そこで、メアリーに内密に相談します。
カハウアヌの想いを知ったメアリーは、ある伝説*を元に詩を書きタイトルをつけたのだそうです。
*ある伝説とは...
パホアと言うモンスターが、いつも水浴びをしているリリレフアという美しい娘に
いつしか恋をするというお話。
パホアは、ある日現在のカイムキという街に立っているヒイアカを見かけます。
そこで、急いでルアウ(宴)の準備をし、ヒイアカに料理を振る舞います。
もてなしを受けたヒイアカは自分に何かできることはないか?と訪ねます。
パホアは、リリレフアが自分の愛に応えてくれない。どうしたらいいかと相談します。
ヒイアカは、自分が手助けをする前にもう一度リリレフアを見てくるよういいます。
そのとき、リリレフアは別の男性の腕に抱かれていたのです。
その光景を見たパホアは、ひどく傷つきますがあきらめたとヒイアカに伝えます。
と、いったなんとも切ないお話です。
マイキは、当時パロロの町に住んでいたこともあり、メアリーはこの伝説を思い出し詩にしたのです。
叶わぬとわかっていても密かに高鳴る胸のうちを歌った「Pua Līlīlehua」
Puaには、カオナとして「人」を指す意味があります。
つまり「Pua Līlīlehua」は、「Līlīlehua」という「人」のことを意味しているのです。
カハウアヌとマイキは、1972年6月にカワイアハオ教会で密かに結婚式を挙げます。
このとき、カハウアヌはマイキを想って作った曲だと言うことを初めて告白します。
しかし、この日以来マイキは自分の事を歌われているこの曲を踊らなくなったそうです。
ところで、詩の内容については勝手な解釈をしてはいけないと言われますが、この曲には
もっと隠された意味があるのではないかと思っています。
上述の伝説では最後あきらめたとありますが、
Pua: 「人」
Līlī: 「嫉妬」
Lehua: 「オヒア・レフア」
とすると・・・
オヒア・レフアは、ご存じ火の女神・ペレの化身で「赤」を象徴する木です。
ペレは、大変嫉妬深いことでも知られています。
そう考えると、抱いていた恋心は実はレフアの花のようにパッと飛び散り、赤く燃えるような
嫉妬心へと変わっていったのではないか?
詞の内容ではそう読み取れる部分はないので、あくまで個人的見解ですが
隠された意味を考察していくと、夜も眠れなくなってしまいます(笑