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2007年04月11日

ハワイアンキルト

  ~ ハワイ独特の「ハワイアンキルト」。

このキルトの中にも、ハワイの人々の感性や独創性、歴史的背景や文化・ハワイアンスピリットが詰め込まれており、趣味の工芸として楽しみながらも、その独自の技法をあみ出した感性や独創性・文化を代々受け継いできたハワイの人々に敬意と感謝を払いたいと思います。


ハワイアンキルトの歴史
19世紀初頭、アメリカ人宣教師がハワイに上陸した際、宣教師の妻達がアメリカ風のパッチワーク(ピースワークを基礎とするもの)を伝えたことが始まり。
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庭先で、パッチワークを教えているときに木々の間に干した白いシーツに、レフアの木の影が写り、その美しい姿から、白い布にハワイの草花をデザインして乗せ、パッチワークをした上にキルトして作り始めたのが、『ハワイアンキルト』の始まりだと言われています。

宣教師達は初め王族などを中心に布教活動を行いますが、宣教師と家族の乗った船に王族の女性を招き、アメリカンキルトを伝授したと言われています。
最初はハワイの王族の女性を対象に行った裁縫教室の一環であったようです。
これは、ハワイ王朝独特のアンティークキルトが存在することからうかがい知ることができます。

元々ハワイには、「布」は存在せず、「裁縫」するという概念はありませんでした。
※布の代用品として「パンの木」から採取される「タバ」やラオハラなどの木の皮(繊維)を用いていました。
 洋服や紙もこの「タパ」を叩き、薄く伸ばして作られていました。またカゴやマットなども編んで作っていたと言われています。

西洋文化では、パッチワークという端切れを縫い合わせて作る廃物利用的なキルトが主流でしたが、ハワイには”端切れ”というものがそもそもなかったため、西洋スタイルのパッチワークは作る事ができませんでした。
そこで、大きな布をわざわざ切ってつなぎ合わせるという手間を省き、大きな1枚の布を使って作る独特なスタイルのキルトが作り出されます。

やがてそれは1枚の大きな布を4枚または8枚に折り畳んだものを、ハワイ固有の花や葉などのデザインに切り抜き、もう1枚の大きな布に重ね合わせるというハワイ独自のキルトになっていったようです。

また、ハワイでは、暖をとるといった実用的な目的ではなく、芸術品・技術品として今日までその伝統が継承されています。
これは、もともとハワイは温暖な気候であり暖をとる必要はなく、また島国であるため潮風によってキルトを傷めてしまうという土地柄からきています。
作られたキルトは、ずっとしまって保管され、特別な時にだけキルトがお目見えしていたようです。

ハワイアンキルトの特徴
 ハワイアンキルトの特徴は、なんと言ってもハワイ独特の2色使いです。
 何故2色かと言うと、アメリカ宣教師がハワイに訪れた時代は、まだ豊富な色の布が無く、また宣教師達達の船荷が限られていたため赤と白のファブリックのみが持ち込まれたことからきているようです。

 伝統的なハワイアンキルトは、このように鮮やかな2色使いで、アップリケ部分と下地の部分との色彩の対比が美しく、ひとつのモチーフを上下・左右対称にデザインし一枚の布を、下地となる中綿を入れた布に縫い合わせていき、モチーフとなる柄の輪郭に何回ものステッチを入れたものです。

これは、エコー(こだま)キルティングと呼ばれる技法(ハワイ語では「フムラオ」)で、打ち寄せる波のように一定のリズムでアップリケの周囲を取り巻いていきます。
別名、コントア(輪郭)キルティングとも呼ばれています。

ハワイアンキルトの言い伝え
ハワイアンキルトは、作る人が自分でデザインし、出来上がるまで他人にはみられることなく作られていました。
長い時間をかけて作られたキルトにはキルターの魂が宿るとされています。
あるキルターは出来上がったキルトと一晩一緒に寝たあと人にプレゼントするといいます。
また、自作のキルトには名前がつけられ、家族や親戚間で代々受け継がれていたそうです。

このように、ハワイアンキルトはいわばハワイのお家芸のような文化であり、代々各家庭の中で女性から女性に受け継がれて行くものであり、それは愛する家族や仲間に贈るためのものでした。
作った方が亡くなるとその人の作ったキルトも一緒に埋葬してしまうのが習慣で、古い時代に作られたキルトはあまり多く残っていないようです。

タブー
キルトに描かれる模様にはちょっとしたタブーがあります。
キルトのモチーフに人物を使ってはならないというものです。
これは、昔の人たちはその人物がキルトから抜け出して危害を与えると考えていたからです。

ただし、人物をモチーフにしたデザインのキルトは存在します。
ビショップ・ミュージアムやイオラニ宮殿などで見ることができますが、これらに使われているモチーフは
ほとんどが宮殿を中心に描かれており、その周りに護衛官がキルティングされています。

モチーフ
一番ベーシックなモチーフはブレッドフルーツ(ハワイ語でULU:「パンの木」)です。
「パンの木」の実は「ポイ」と呼ばれハワイの人々の主食であり、幹や枝は、カヌーやサーフボードに用いられるなどハワイの人々の生活に欠かせないものでした。
目に見える種を持たずに、切り木で繁殖するこの木は、「幸運」「成長」「繁栄」などの意味を持ち合わせ、昔からハワイの人々に親しみ深い植物であり、
ビギナーキルターがこの図案を作る事は「縁起がいい」と言われ、”実りある今後のために”という意味があるのだそうです。

他に、ハイビスカスやプルメリア・パイナップル・モンステラといった植物が用いられています。
また、ホヌ・タコ・イルカなどの動物のモチーフも多く見られますが、これら動物や人のモチーフは縁起が悪いとされていたようです。

これらの植物等を図案にしたキルト以外に「フラッグキルト」と呼ばれるものがあります。
当初のキルトは王国や自然信仰の象徴的役割であったため、王族紋章・宮殿・王冠や精霊が宿る植物がモチーフとなっていました。
ロイヤルカラーである「赤」と「黄」の2色は王家のシンボルカラーであったため、昔は王族しか使えないカラーだったそうです。

その後一般庶民間で作られるようになると、ハワイの美しい自然や植物をモチーフとして、伸びやかにデザインされたハワイ独特の色鮮やかなキルトが次々とうまれていきます。
1800年代後半にハワイ王朝は滅亡しアメリカ合衆国の領土となりますが、その歴史の遍歴をキルトに残したと言われ、ハワイの人々にとって特別な意味を持つものだそうです。

 [Writen by kuewa

投稿者 tandt : 2007年04月11日 00:15

 

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